Upworkを始めるとき、最初にやるべき手続きがあります。W-8BENという米国の税務書類の提出です。
後回しにすると、取り返しがつきません。報酬から最大30%が差し引かれ、しかもその分は後から書類を出しても戻ってきません。手数料の話より先に、ここを片付けてください。
1円でも稼ぐ前に、W-8BENを提出してください。提出すれば源泉徴収はゼロになります。提出しないまま報酬が発生すると、その分は永久に戻りません。
このページの内容
W-8BENとは何か
ひとことで言えば、「私は米国の納税者ではありません」と米国の税務当局に申告する書類です。
Upworkは米国の会社なので、米国の税法に従う義務があります。その税法では、米国外の人に支払いをする場合、相手が非米国人であることを確認できなければ、支払額から税金を天引きして国に納めなければならないと定められています。
W-8BENを出すというのは、この確認作業のことです。個人の場合はW-8BEN、法人の場合はW-8BEN-Eという書式を使います。
提出すれば、源泉徴収はゼロです
「米国の税金を取られるのでは」と心配になるかもしれませんが、有効なW-8BENがあれば源泉徴収は行われません。
理由は、あなたが日本国内で行った作業の対価は米国を源泉とする所得にあたらないからです。そのため、日米租税条約の特典条項をわざわざ持ち出す必要もありません。書類を出しさえすれば、それで済みます。
なぜ「先に」出さないといけないのか
提出のタイミングが決定的に重要です。図で示します。
Upwork公式ヘルプには、はっきりとこう書かれています。
当社が源泉徴収した税金について、返金することはできません。
(We cannot give you a refund on taxes that we withhold)
一度米国の税務当局に納められてしまうため、Upworkの側ではどうにもできない、という趣旨です。取り戻したければ米国で還付申告をすることになりますが、現実的な手間ではありません。
そもそも、出さないと出金できません
もうひとつ重要な点があります。Upworkでは、税務情報を登録しないと出金方法そのものを追加できません。つまりW-8BENを出さない限り、稼いだお金を引き出すことができません。
「まず稼いでから考えよう」は成立しない仕組みになっています。
提出のしかた
提出はすべてUpworkの画面上で完結します。紙の書類を郵送する必要はありません。
- Upworkにログインし、Manage finances(資金管理)> Tax information(税務情報)を開きます
- 米国の納税者ではないことを選択します
- 氏名・生年月日・税務上の住所を入力します
- TIN(納税者番号)を入力します。日本の場合はマイナンバーがこれにあたります
- 電子署名をして提出します
氏名は本人確認に使う身分証と完全に一致させてください。後の出金でも、口座名義・本人確認名・ここで登録した氏名がすべて一致している必要があります。ミドルネームや特殊文字の有無も含めて揃えてください。ずれていると、出金時にフラグが立ちます。
なお、租税条約の特典を主張したい場合や、個人・法人・パートナーシップ以外の形態の場合は、画面上だけでは完結せず、別途IRSの書式を提出することになります。日本在住の個人フリーランサーであれば、通常は画面上の手続きだけで済みます。
3年ごとの更新
W-8BENは出しっぱなしにできません。有効期限は3年です。
期限が切れたまま放置すると、再び源泉徴収の対象になります。そしてその分もやはり戻ってきません。提出した日をカレンダーに記録しておくことを強くおすすめします。
日本側の税金について
ここまでは米国側の話です。日本側の申告義務は、これとは別に発生します。
確定申告の要否、経費の扱い、消費税の課税事業者判定、インボイス制度への対応などは、個々の状況によって答えが変わる領域です。当サイトは公式の一次情報を確認できた範囲のことだけを書く方針のため、ここでは一般論を述べません。
なお調べたかぎり、Upworkは日本の消費税(JCT)について解説した公式記事を用意していません。オーストラリアのGST、インドのGST、カナダ、シンガポールなどについては個別の記事があるにもかかわらず、日本については存在しないという状況です。
金額が大きくなってきたら、早めに税理士に相談してください。海外からの外貨建て報酬という点で、通常の国内取引とは論点が異なります。
出典(2026年7月20日にUpwork公式ヘルプセンターで確認)
How to complete Form W-8BEN or W-8BEN-E / How to get paid on Upwork
税務の取り扱いは法改正や運用変更により変わることがあります。実際の手続きにあたっては、必ず公式サイトの最新情報および専門家の助言をご確認ください。当サイトはUpwork社とは関係のない非公式の情報サイトであり、税務上の助言を行うものではありません。